水彩絵具の使い方

1 道具をそろえる


・水彩絵の具
水彩絵の具には、大まかに分けると透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具の2種類があります。
透明水彩絵の具は、色を塗り重ねていくと、下に塗った色、下地の色が透けて見えます。水で薄く溶き、淡い色調の絵を描くのに適しています。
不透明水彩絵の具は「ガッシュ」 とも呼ばれます。色を塗り重ねると、下に塗った色が隠れて見えなくなります。ポスターカラーも不透明水彩絵の具の1種です。あまり水を加えずに使用し、明るい発色、重厚感を楽しみます。
12色セットなど、基本的な色がそろったセットから手に入れ、好みに合わせて色を買い足していきましょう。

・パレット
金属のホーロー引き、プラスチック製などのものが販売されています。野外スケッチなどのために携帯する場合は、プラスチック製のものが軽くて良いでしょう。また、2つ折のものは片付けも簡単でコンパクトです。

・筆洗器
仕切りがついたタイプですと筆を洗う水、絵具を溶かす水と使い分けられて便利です。陶器製、プラスチック、防水布など様々な素材で展開されています。防水布で作られたものは軽く、コンパクトに折りたためるので携帯に便利です。携帯用として、水筒と筆洗がセットになっているものもあります。

・クリップ
水彩画で水を多く使う技法「ウォッシュ」を用いると、多量の水を吸い込んだ紙は反り返ります。その防止のために、紙の四辺を大型のペーパークリップで画板やイーゼルに留めましょう。
スケッチブックも三辺をクリップで挟んでおくと、風が吹いても風に紙を飛ばされずに描けます。

・海綿
筆に水を含ませ過ぎた場合、余分な水を吸い取らせるために使います。海綿は筆の水を調節するだけでなく、筆の代わりに、ぼかす表現にも使えます。雲や水面を描くときに、海綿に絵具を付けて画面を叩けば、筆のタッチとは異なる自然な色付けが出来ます。海綿が手に入らなければ、スポンジを代用しても良いでしょう。

・イーゼル
水彩画には、水平になるイーゼルを用いるか、机上等で紙を水平に置いて描画するのが一般的です。

・携帯用具
絵具・筆・筆洗・パレットなどの水彩用具を入れられるスケッチ用の木箱があると便利です。
描画する紙を持ち運ぶ際には、カルトンがあると便利です。カルトンを入れるバッグがあると持ち運びやすいでしょう。

・筆
水彩画には丸筆が便利です。筆の先を使って細い線、力を入れて太い線、筆を寝かせて広い面を塗るなど、一本で様々な表現が可能です。
平筆は穂幅をいっぱいに使って幅の一定した長い面を塗る、筆を立てて横に筆を引いて細い線を描く、短いストロークを繰り返してレンガや瓦屋根を描くなど、こちらも様々な表現が可能です。
ライナー、フアン筆などは細い線、髪の毛などを描写するためには持っていると便利です。
動物毛、合成繊維など材料は様々にありますが、水の含みの良い筆を選びましょう。
詳細は「画筆について」をご覧ください。

・紙
水彩画の技法を充分に発揮できるよう、水彩紙には「吸い込み」「にじみ」「はじき」を調整する「サイジング処理」がされています。
吸い込みが弱く、はじき気味の紙は絵具の水分が紙の表面に載って乾くので良い発色をします。
反対に吸い込みが強い紙は絵具が水分と一緒に紙の中に吸い込まれるので色は少し沈み気味です。
透明水彩画の独特の、色をしみ込ませる技法「ウオッシュ」、水分の多い色を濃→淡にぼかす技法「グラデーション」には吸い込みの弱い紙が適しています。「にじみ」を活かす技法には吸い込みの弱い紙を使うか、吸い込みの強い紙なら制作前に紙に水を引き、湿らせておくと良いでしょう。吸い込みの弱い紙は表面に水分が載っているので、絵具の乾燥が遅くなります。反対に吸い込みの強い紙は水分が紙の芯へ入ってしまうので表面は早く水分がなくなり乾燥が早まります。
水彩紙以外にも和紙、印刷用の紙などにも描けますので、様々な材料を試してみましょう。
大画面に描く場合は水彩用のキャンバスがあります。
麻や綿の生地にアクリル絵具のジェッソ(主に白色の下地剤)を塗ると水彩絵具でも描けるようになります。


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