油絵具の使い方


1 道具をそろえる


・岩絵具
日本画絵具の代表的なものは天然の岩石を粉にしたり、天然物から採取したものを砕いたりして作られる、岩絵具です。
岩絵具は粉砕した時の粒子の大きさで10段階に分級されています。
粒の大きいものから順に小さい数字が付いていて一番細かい14番は淡く白っぽい色をしているので白(びゃく)と呼んでいます。

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・水干絵具
天然の黄土などの土を水でよく洗って天日で乾燥させたものと、顔料やレーキ顔料を胡粉と混合して水簸(すいひ)、精製したものが水干絵具です。
岩絵具と違い各色の粒子が細かく、一定なので混色も自由です。
水干絵具は価格も安いので下塗りによく使われます。
初心者の練習用に適している絵具です。

・顔彩
顔彩は水彩絵具と同じようにアラビヤゴムや膠を使って顔料を練り、小さい陶器やプラスチックの皿に注いで乾燥させたものです。
小さい四角の皿に入れたものが「顔彩」で大きい丸皿に入れたものが「鉄鉢」と呼ばれています。
岩絵具や水干絵具で描いた作品の最後の仕上げに濃く描き込むときや、スケッチのときに使う絵具です。

・墨・墨汁
日本画を描き始める手順として、最初に「骨描き(こつがき)」という輪郭線を入れる作業がありますが、それには墨を使います。
墨汁で代用することも出来ますが、墨汁は濃くできているので水で薄めて使います。
墨はその他にも色を落ち着かせたり、黒色として使います。油煙墨(赤味)と松煙墨(青味)を用途によって使い分けるとよいでしょう。

・紙を選ぶ
[ 小さい作品を描く場合 ]
和紙にはいろいろな種類があります。一般的なものでは、麻紙や鳥の子紙、美濃紙などがあります。
薄美濃紙は下図を描いたり念紙に使ったりするのに向いています。紙はパネルや板に水張りして、絵具をのせたとき、波打ったり反ったりしないようにしましょう。
 
[ 大きい作品を描く場合 ]
大きい作品では絵具も厚塗りされる事が多いので、麻紙も強い繊維の紙を選び、特に厚手のものを使うとよいでしょう。
厚手の紙はとても硬いので、空気が入りすぎないようにする等、水張りも注意深くする必要があります。

・絵絹に描く場合
日本画の代表的な基底材に絵絹があります。
絵絹は木枠に張って描きます。縦糸と横糸の伸縮の違いなどで扱いの難しい点もありますが、日本画絵具の美しさをよく引き出してくれる、大切な基底材です。

・筆の種類を選ぶ
[ 骨書きする場合 ]
下図を墨で描き起こす時は細い線が描ける筆が必要です。
この時は面想筆か骨描筆がよく使われます。

[ 彩色する場合 ]
絵具や水をよく含む彩色筆が一般的です。
付立筆という、線描にも彩色にも使える筆もあります。

[ 広い面を塗る場合 ]
バックなどの広い面を塗るときは幅の広い筆が必要です。
日本画では刷毛や、彩色筆を3本から7本までヨコに並べて作った連筆があります。

[ 色をぼかす場合 ]
一度塗った色をグラデーションを付けてぼかしたい時は隈取筆を使います。
隈取り筆に水を付けて生乾きの色を撫でると、きれいなグラデーションが出来ます。

[ ドーサ塗りや水張りする場合 ]
ドーサを引く時はドーサが均一に引ける刷毛が必要です。
ドーサに含まれている明礬は絵具に混ざると、絵具の「のり」を悪くするので、彩色する刷毛とははっきり分けておく必要があります。

・これだけは準備したいもの
絵皿:
岩絵具、水干絵具と膠液を混ぜる時等使う陶器製の皿です。
大・中・小と大きさもいろいろあるので、絵具を溶く量に応じて選びましょう。

硯:
骨描きするときや黒色として墨を摺って使う時に必要です。
墨液(墨汁)を使う時は必要ありません。

乳鉢:
胡粉や水干絵具を乳鉢で摺ったり、膠と水を入れて溶いたりする時に使用します。

筆洗:
使用中の筆を洗ったり、絵具を薄める水を入れておいたりする道具です。
丸いものや四角いものがあり、仕切も2つのものから3つあるものもあります。

水匙:
膠液を計ったり、混ぜる水を計ったりするのに使うスプーンです。

膠鍋:
膠を溶かす時に使う鍋です。
これを小型の電気コンロにのせて熱を与えます。膠鍋とコンロ、この2つをペアにして揃えるとよいでしょう。

念紙:
下図を本紙に写すには、本紙と下図の間に念紙といわれる転写用の紙を挟み、下図の線を鉄筆でなぞって本紙に写しとります。
念紙には青花を塗った青いものが一般的です。
青花の念紙は水を含んだ筆でなぞると消えるので描き直しが効きます。

チャコペーパー:
下絵を本紙に写す時、念紙の代わりにチャコペーパーを使用することもできます。チャコペーパーも水で消すことができます。

木炭:
下図を本紙に写す時に、木炭を下図の裏から線に沿って塗り、表に返して鉄筆で線をなぞって写すという方法もあります。
木炭は写した後、画面に落ちている場合がありますので、羽ぼうきで画面を軽く掃いておくとよいでしょう。

鉄筆:
先端のサイズが色々あるので、使いやすい太さのものを選んで、下絵の転写をしましょう。

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